「理学療法士(PT)はやめとけ」といわれる理由は?
現役の理学療法士はどう思っているの?PTに将来性はないの?
これから理学療法士を目指す人はやめておいたほうがいい?
このような悩みを解決します。
- 「理学療法士はやめとけ」と言われる理由
- 理学療法士はやめておいたほうがいいのか
- 理学療法士の将来性
- 理学療法士が稼ぎ続けるためにすべきこと
- 理学療法士が給料を上げる3つの方法
回復期病院で2年間人事(採用)をしていた筆者が解説します!
「理学療法士はやめとけ」なんて言われると、現役のPTさんはびっくりしますよね。
理学療法士を目指している方に関しても「理学療法士はやめとけってどういうこと?将来性がないの?」と不安になると思います。
結論から言うと、理学療法士に将来性はあります。
ただし、普通に働いていたら数年後・数十年後が怪しいので、今のうちから対策を取っておかないと後悔するかもしれません。
本記事では、「理学療法士はやめとけ」と言われる理由とともに、PTが安定して稼ぐためにすべきことを解説します。
もくじ
理学療法士はやめとけといわれる9つの理由
早速、理学療法士はやめとけと言われる理由を9つ解説します。
私は人事なので転職・退職するきっかけを聞きますが、現役PTが辞める際に残していった意見をまとめました。
PTはやめとけの理由
- 給料が安いから
- 仕事量が多いから
- 昇給・昇進がほとんどないから
- サービス残業が多いから
- 人間関係が複雑だから
- 休みにくいから
- プレッシャーが大きいから
- 患者対応が辛いから
- 学会や研修は「自己研鑽」扱いだから
多いので流し読みしてください!
PTはやめとけの理由1.給料が安いから
理学療法士給料安いのは知っとったけど改めて思うと少し後悔
やっぱ看護いけばよかった😢 — さよなら〆ねぎ (@Negiii06) September 26, 2020
ワイが怪我した時にお世話になった理学療法士さんも給料安いから、別の日は他の病院でバイトしてるって言ってたな。 — polaris💉M💉M💉M (@Polaris_sky) June 9, 2022
「理学療法士は給料が安い」 という事実を知っているのは、医療業界の人間だけかもしれません。
求人サイトで検索すれば、年収400万円に届かない募集ばかりです。
ぶっちゃけ、お金を稼ぎたいなら、理学療法士ではなく看護師の方がよいですよ。
副業やバイトをしている人が増えているのは、給料が安いからなんですよね…
理学療法士の給料が安い理由は以下の記事で解説しています。
>>>理学療法士と作業療法士の給料が安い理由と給料を上げる方法
PTはやめとけの理由2.仕事量が多いから
理学療法士の転職理由は
・職場の人間関係に不満がある
・激務で体力的・精神的に辛い
・理学療法士に向いていない
ちなみに平均勤続年数は5.3年で日本の平均12.1年の約半分でアメリカ人の平均勤続年数と同じくらいの年数です。
転職理由にスキルアップやキャリアアップが入ってないのは意外だな — 梶川 隆裕 ◉介護福祉の人事 (@PTHRkaji) July 14, 2021
今日はリハビリ午前で終わらせて、午後からはひたすら書類〜📑
理学療法士はリハビリがメインと思われがちですが、地味に書類仕事多いです😅
理学療法士を目指してる方で質問あればお答えしますよー📣
目指してる方に拡散してくれるとありがたいです😄#ブログかけ#理学療法士#初心者ブロガー — すこふぃ|理学療法士| Webライター兼ディレクター (@sukofi) December 7, 2019
理学療法士の仕事は、以前と比べてかなり増えています。
リハビリだけが仕事ではなく、むしろリハビリ以外の業務が多いです。
具体的には、
- 学会
- 研修
- 備品チェック
- 委員会
- 実習生対応
などですね。
1年目の新人さんだと、理学療法士の仕事内容に違和感を覚えてやめてしまうことも珍しくありません。
PTはやめとけの理由3.昇給・昇進がほとんどないから
理学療法士は昇給・昇進がほとんどありません。
昇給は3000~7000円程度、昇進は勤続10年~と思ってください。
リアルな数字を出しましたが、地方回復期病院ではこんな感じです。
真面目に勤務してもこんな感じなので、ばからしくなってやめていきます。
PTはやめとけの理由4.サービス残業が多いから
理学療法士はサービス残業が多いです。
なぜなら、リハビリ職の雰囲気的に残業申請ができないから。
職場にもよると思いますが、筆者が5つ程度の病院を見た限りでは残業申請ができない、またはしづらい空気でした。
健康経営を国が推進して、残業をなくそうとしている時代に逆行した考えを、リハビリテーション部は持ち続けています。
理学療法士は、効率化重視の若い世代とは考え方が真逆の職種です。
筆者は20代後半ですが、定時で上がると「なんで?」みたいな空気が大嫌いです!
定時だから定時で上がるんやろ…と思います。
PTはやめとけの理由5.人間関係が複雑だから
理学療法士は、人間関係が複雑すぎるので「やめとけ」といわれています。
患者さんに気難しい人がいるのはもちろんですが、問題はそこではないことが多いです。
理学療法士同士はもちろん、作業療法士や言語聴覚士、看護師との連携で問題を抱える方が多いです。
リハビリ職は上下関係が強烈なので上に逆らえませんし、他部署との面倒なことは押し付けられることもあります。
PTはやめとけの理由6.休みにくいから
理学療法士休みがとりにくいです。
なぜなら、患者さんごとに担当があって休みを取れない空気になっているから。
「あなたの患者はあなたがみてね?」という感じです。
家族や恋人と旅行したいですよね。
友人とはしゃぎたいですよね。
これらをしたくてもできないのが、理学療法士です。
最近は休みがとれる職場も増えているので、勤務先はよく選びましょう。
PTはやめとけの理由7.プレッシャーが大きいから
理学療法士の仕事は、プレッシャーが大きいです。
なぜなら、患者さんの生活に直結する業種だから。
「失敗できない」というプレッシャーは、誰でも少なからず感じるでしょうし、それが普通です。
プレッシャーはストレスとなり、無意識に積み重なってしまうため、やめる原因となります。
PTはやめとけの理由8.患者対応が辛いから
理学療法士はやめとけといわれる理由の8つ目は、患者対応が辛いからです。
正確にいえば「患者の相手が苦痛な人もいるから」ですね。
現役のPTならわかると思いますが、めんどくさい患者さんっていますよね。
あーだこーだわめいたり、意味がないとか言ったり、早くしろとか言ったり…そのくせ医師には逆らわないという…。
患者さんにも「良い患者」と「悪い患者」がいるので、悪い患者の相手が辛くてやめる理学療法士はいます。
PTはやめとけの理由9.学会や研修は「自己研鑽」扱いだから
理学療法士の学会や研修は自己研鑽です。
移動費や宿泊費、参加費(これは無料かな)を自腹で切るのに、強制参加させられます。
1年目のPTは問答無用な場合が多いので気を付けてください。
こんな感じで、理学療法士は基本的にブラックです。
「理学療法士はやめとけ」に反対できる3つの根拠を元人事が解説
前章では「理学療法士はやめとけ」と言われる理由を解説しました。
もしかしたら、「理学療法士はダメなんだな…」と思った方もいるかもしれません。
しかし、人事として先を見据えて採用していた身としては、「理学療法士はやめとけ」には反対です。
下記の理由があるからこそ、「理学療法士はやめとけ」とは一概に言えません。
- 転職し放題
- PTの資格を活かせる一般企業に転職もできる
- PT資格に関係ない一般企業に転職することもできる
PTを目指している方は不安になったかもしれませんが、選択肢は豊富にあるので大丈夫ですよ。
理学療法士はやめとけに反対な理由1.PTとして転職し放題だから
理学療法士はやめとけに反対な理由の1つ目は、「職場だけを変えてもPTは続けられるから」です。
病院は倍率が高いですが、クリニックや老健、訪問看護サービスなどは、日本中どこに行っても需要があります。
理学療法士の数は増え続けているものの、人口に対する高齢化率も上昇しているため、結局需要はあるんですよね。
ちなみに、PTを続けるなら病院以外の選択肢として、
- 有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 訪問リハビリテーション
- デイサービス
- 整形外科クリニック
- ジムトレーナー
などがあるので、転職先には困りません。
また、理学療法士が多いのは病院だけなので、デイサービスや施設に応募すれば、転職は難しくないでしょう。
実際に、PTが飽和しているといわれるのは「病院」に限った話であることを、人事になって実感しています。
理学療法士はやめとけに反対な理由2.PTの資格を活かせる一般企業に転職もできるから
理学療法士はやめとけに反対な理由の2つ目は、「PT資格を活かせる一般企業に転職できるから」です。
意外と知られていませんが、PTの資格を活かして働ける一般企業は結構あります。
具体的には、
- 発達支援施設
- 福祉用具販売
- 病院・施設経営マーケティング職
といった職ですね。
最近は、超高齢社会を見据えたサービスを提供しようとしている企業が増えているので、理学療法士資格を持っている人材需要は高まっています。
大和ハウスに転職した理学療法士の方もいますよ。
【インタビュー】大和ハウス工業に勤める理学療法士 岩隈彩さん | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の求人、セミナー情報なら【POST】#理学療法士 #作業療法士 #言語聴覚士 https://t.co/AJ6qepEWI0 @POSTwebmediaさんから — Hiro (@gh_nzhiro) March 17, 2017
理学療法士はやめとけに反対な理由3.PT資格に関係ない一般企業に転職もできるから
理学療法士はやめとけに反対な理由の3つ目は、「PT資格に関係ない一般企業に転職できるから」です。
理学療法士の資格持ちは、理学療法士になってもいいし、ならなくてもいいという、余裕があります。
「東大と京大に合格したから、東大でいいや」みたいなイメージです。
筆者がいた病院のPTは、IT分野に未経験で転職したり、東証一部上場企業の営業職になったりしていました。
理学療法士は、資格を活かす選択も使わない選択もできます。
関連記事
>>>理学療法士から一般企業に転職は可能?3つの注意点やメリット・デメリットも解説
理学療法士はやめとけ?まさか、将来性はありますよ
前章で、理学療法士はやめとけと言われる理由をご紹介しましたが、「ならない方がいい」とは思えません。
なぜなら、理学療法士には将来性があるからです。
詳細は、理学療法士は年収低いという現実!負け組ではない理由を人事が解説でまとめていますが、理学療法士には将来性がちゃんとあります。
転職は日本全国どこでもできますし、一般企業にもいけますからね。
ただし、給料面では一切の期待ができません。
理学療法士の給料は頭打ちであり、下がる可能性すらあることは頭に入れておくべきでしょう。
リハビリ職の給料は、国が決めた診療報酬制度によって決まるためです。
高齢者率は増加の一方なので、給料が減ることはあっても増えることはありません。
結婚などで給料が増えないと困る人は、転職してよりよい待遇の職場で働くことをおすすめします。
もう1つ、頭に入れておいてほしいことがあります。
理学療法士の将来性はあるとお伝えしましたが、それはスキルを持った人材に限るという話です。
これからの時代、「普通のリハビリ職」では生き残れなくなる可能性が大いにあります。
次章で解説しますが、将来も求められるPT、生き残れる理学療法士になりたい方は今のうちから対策を取っておくべきです。
>>>理学療法士を辞めるタイミングは?ベストな時期と円満退職のコツ
理学療法士はやめとけ?将来が不安なPTがすべき3つのこと
将来が不安な理学療法士が今からしておくとよいことは以下の3つです。
- 1:知識・技術の改善を続ける
- 2:副業を始めて収入源を複数持つ
- 3:転職して本業の収入を増やす
人事としては、副業を推進します。
2020年以降は個人の時代とされているため、副業でスキルを磨くことで貴重な人材になれるためです。
副業する余力がない方は、転職で本業の給料を少しでも上げておかないと、余裕がある生活は厳しいでしょう。
1:知識・技術の改善を続ける
給料が上がらないといっても、知識や技術の改善は続けましょう。
なぜなら、リハビリテーションは年々進化してるから。
医学と同様に、リハビリテーション分野においても、去年の常識が今年の非常識になるケースがみられます。
つまり、知識や技術の改善、努力を怠ってしまうと「使えない理学療法士」になるというわけです。
これから先の時代は「使える理学療法士」だけが生き残る時代になるため、今のうちから自己研鑽を積み重ねることをおすすめします。
2:副業を始めて収入源を複数持つ
副業を始めて収入源を複数持つことで、理学療法士を続けることによるリスクを減らせます。
理学療法士の収入だけの頼ってしまうと、収入が減った時に大打撃を受けますよね。
その点、副業で収入減を分散しておけば、何かあったとしても一定の収入を確保できるため、安心感があります。
2020年に始まったコロナ禍の影響では、数百万人以上の方が打撃を受け、収入減を余儀なくされました。
副業しておけば、本業の収入だけに頼らない生き方ができるため、余裕をもって理学療法士を続けられます。
>>>理学療法士におすすめの副業10選!【副業禁止でもバレない方法とは?】
3:転職して本業の収入を増やす
副業と同時に行いたいことが、転職して本業の収入そのものをアップさせることです。
理由は言われるまでもないですよね。
理学療法士(本業)の収入を増やしておけば、将来がより安心できます。
残念ながら、理学療法士の給料は、同じ職場にい続けてしまうと上がることはありません。
理学療法士と作業療法士の給料が安い5つの理由【給料を上げる方法は?】で解説している通り、PTの給料は国が決めているためです。
理学療法士が収入を増やすなら、転職を繰り返すことが最も有効な方法でしょう。
PTなら一般企業という選択肢もありますし、今の職場にこだわる必要はありませんよ。
理学療法士はやめとけ?PTが給料を上げる方法3選
「理学療法士はやめとけ」と言われる理由の多くは給料の安さです。
そこで本章では、理学療法士が給料を上げる方法3つを紹介します。
理学療法士が給料を上げる方法3選
- 転職を繰り返す
- 出来高制の職場に転職する
- 副業する
1.転職を繰り返す
理学療法士が給料を上げるなら、転職を繰り返す方法が有効です。
なぜなら、昇給・昇進してもリハビリ職の給料はほとんど上がらないから。
1つの職場にい続けるよりも、転職を重ねて年収を増やしていった方が効率的に稼げます。
ちなみに、一般企業への転職もアリでしょう。
一般職を短期でも経験すれば、リハビリ以外もOKな「できるPT」として、人材価値が高まるためです。
PTの多くは、電話対応や名刺の受け渡しもできない社会人としてはペーペーな方が多いため、少しでも一般企業経験があるPTは珍しいんですよね。
実際に筆者が採用していた時は、一般職からの出戻りPTには高めの条件を提示していました。
将来に不安があったり、給料や人間関係に不満があったりするなら、転職をおすすめします。
転職エージェントは無料で使えるので、相談するだけしてみてもよいと思いますよ。
企業の人事や上司に聞いても親身になってくれませんからね。
2.出来高制の職場に転職する
転職を重ねるのは不安…という方には、PTを続けたまま、出来高制の職場に転職するという方法がおすすめです。
出来高制なのでやればやるほど稼げますが、その逆もしかり…ですよ。
具体的には、訪問リハビリ(看護)やセラピストです。
以下は株式会社リニエLからの求人抜粋ですが、給料は冗談抜きで高いですねぇ。
同じ業務に移動が加わるだけでも、インセンティブ(1件4000円など)がとれるので、月給は10万円ほど変わります。
今の職場に不満があったり、将来への不安があったりする方は、PTを続けたまま出来高制の職場に転職することが低リスクでおすすめです。
転職は、転職エージェントに無料登録して待つだけなので働きながら転職できますよ!
転職エージェントが独自のルートで求人を探して紹介してくれるので、忙しい人でも転職できます。
無料なので、相談するだけでもOKです。
3.副業する
理学療法士で給料に不満があるなら副業するという選択肢もあります。
収入源を複数持つことはリスクヘッジにも、スキルアップにもなりますよ。
また、転職となると、家族の問題などがあって簡単にはできませんよね。
副業なら手軽に始められて、稼ぎたいときだけ稼げます。
リハビリ職におすすめの副業は以下の4つです。
- 一般バイト
- 非常勤バイト(病院・施設・訪問リハビリなど)
- 投資(FX)
- WordPressブログ(アフィリエイト)
始め方などの詳細は、以下の記事をご確認ください。
理学療法士におすすめの副業を、それぞれ厳選しました。
>>>理学療法士におすすめの副業10選!【副業禁止でもバレない方法とは?】
「理学療法士はやめとけ」に反対できる3つの根拠を元人事が解説:まとめ
「理学療法士はやめとけ」というテーマでまとめました。
決して給料が高いとはいえず、昇給・昇進もほとんど見込めないのが現実です。
経験を積んでも責任と業務量が増えるだけでは、将来性を感じられないのも無理ないでしょう。
理学療法士が収入を増やすなら、転職か副業することをおすすめします。
副業を始めて収入源を増やしつつスキルアップするもよし。
転職して、本業の収入そのものを底下げするもよし。
ただ、 転職市場価値は年齢とともに低下するので、転職したい方は早めに動いた方がいいでしょう。
転職の流れやおすすめのエージェントは、リハビリ職におすすめ転職エージェント・サイト5選!32社から人事目線で比較でまとめたので参考にしてください。
今回は、以上です。