言語聴覚士は少ない理由ってなに?需要がないからなりたがる人がいないの?
言語聴覚士に今からなっても生きていける?
このような悩みを解決します。
言語聴覚士は、理学療法士と作業療法士に比べるとはるかに数が少ないです。
そうなると「需要がないから」「将来性がないから」と、不安になってきますよね。
ご安心ください。
ネガティブな理由で、言語聴覚士が少ないわけではありません。
本記事では、言語聴覚士が少ない理由と将来性を解説します。
言語聴覚士を目指している方や、STとしてこれからどうすればいいのかお悩みに方におすすめの記事です。
もくじ
言語聴覚士が少ない理由は3つ【需要の少なさが主な原因】
言語聴覚士が少ない理由は下記の3つが考えられます。
- STが少ない理由①:職種そのものがメジャーではないから
- STが少ない理由②:ネガティブな噂が増えているから
- STが少ない理由③:需要(対応する疾患)が少ないから
1つずつ見ていきましょう。
STが少ない理由①:言語聴覚士という職種がメジャーではないから
言語聴覚士が少ない理由の1つ目は、言語聴覚士がメジャーではない職種だからです。
マイナーであるがゆえに、目指す人の母数そのものが少なくなっているというわけですね。
筆者は病院の元人事ですが、恥ずかしながら、入社するまで言語聴覚士の存在を知りませんでした。
理学療法士と作業療法士は知っていたのにもかかわらず、です。
スポーツでは、サッカーや野球が子供たちから大人気ですよね。
カバディ(超ハイレベル鬼ごっこ)やBMX(自転車競技)と聞いても「聞いたことないぞ??」という方も少なくないでしょう。
サッカーや野球に当たる職種が、理学療法士や作業療法士であり、カバディやBMXにあたるのが言語聴覚士です。
というわけで、言語聴覚士がマイナーすぎるゆえに、目指す人自体が少ないことが理由の1つと考えられます。
STが少ない理由②:ネガティブな噂が増えているから
言語聴覚士が少ない理由の2つ目は、ネガティブな噂が増えているからです。
「言語聴覚士はやめとけ」という検索ワードがうまれるほど、言語聴覚士はマイナスなイメージが定着しつつあります。
具体的には、
- 給料が安い
- 昇給・昇進がない
- サービス残業が多い
- 休みがとりにくい
などでしょう。
このように、言語聴覚士に関するネガティブな噂が増えているため、目指す人が減っていることも少ない理由の1つといえます。
詳細は、下記の記事を参考にしてください。
参考:言語聴覚士はやめとけ?やめたほうがいい6つの理由をSTの現実と本音から解説
STが少ない理由③:需要(対応する疾患)が少ないから
言語聴覚士が少ない理由の3つ目は、需要そのものが少ないからです。
言語聴覚士は、理学療法士と作業療法士に比べると、対応疾患が少ないです。
つまり、リハビリ対象になる患者さんの数が少ないため、国としても言語聴覚士の拡充に当たっていないということですね。
おそらく、これが言語聴覚士の人数が少ない理由として、一番大きいと思われます。
母数そのものを制限されているということですからね。
とはいっても、言語聴覚士には需要が安定してあります。
言語聴覚士の需要と供給に関しては、次章で深掘りしていきますね
言語聴覚士が少ない理由は需要と供給の関係が根本にある
言語聴覚士が少ない理由の根本には、需要と供給の関係があります。
これは、言語聴覚士の対応疾患が少ないという意味でもあり、国が力を入れていないという意味もあります。
具体的に、現時点でどれくらいの言語聴覚士がいるのか確認しましょう
日本言語聴覚士協会によると、言語聴覚士は全国で16,656名です。
他サイトでは3~4万人と記載されていることもありますが、当サイトでは最も信頼性が高い日本言語聴覚士協会から抜粋しています。
実際はどっちが正しいのか不明ですが、当サイトでは、日本言語聴覚士協会が公開している数字を採用しますね。
日本理学療法士協会によると、理学療法士の全体数は133,133名です。
作業療法士の人数は、「2019年度 日本作業療法士協会会員統計資料」によると、62,294名となっています。
まとめると、下記の通りです。
- 言語聴覚士→16,656名
- 理学療法士→133,133名
- 作業療法士→62,294名
なんと、理学療法士は言語聴覚士の7.99倍、作業療法士は3.74倍もいることがわかりました。
理学療法士と作業療法士が多い理由は、それだけ対応疾患が多いことだけではありません。
少子高齢化社会が進行進行することを見越して、国がどんどんPT/OTを増やしているためです。
言語聴覚士も多少は増えつつありますが、理学療法士と作業療法士ほどではありません
つまり、言語聴覚士が少ない根本的な理由は、国が需要と供給のバランスを保っているが故といえるでしょう。
言語聴覚士が少ない理由は将来性のなさではない!需要は高まる?
言語聴覚士が少ないと知ると、「需要がないからでは?将来性がないんじゃ…」と不安になっている方もいるでしょう。
結論からいうと、言語聴覚士の将来性はあります。
STの需要はますます高まっていくので、言語聴覚士の将来性は心配ありませんよ。
なぜなら、言語聴覚士の活躍の場がどんどん広がっているから。
言語聴覚士というと、勤務先は病院だと思いがちですが、実はそうでもありません。
詳細は、言語聴覚士の病院以外の就職先ランキング|STの資格を活かした仕事一覧でまとめていますが、言語聴覚士は下記のような場所でも活躍できます。
- 医療→診療所など (リハビリテーション科、耳鼻咽喉科、小児科、形成外科、 口腔外科など)
- 老健・特養→介護老人保健施設 居宅サービス事業所、地域包括支援センターなど
- 福祉→障害者福祉施設、 小児療育センター、 通園施設など
- 学校教育→通級者指導教室、 特別支援学校 (聴覚障害・知的障害 肢体不自由) など
- 養成校→言語聴覚士指定養成所
- 研究・教育機関→各種研究施設、一般の大学・専門学校など
参考:言語聴覚士の病院以外の就職先ランキング|STの資格を活かした仕事一覧
このように、言語聴覚士のニーズは医療現場のみならず、教育や福祉、学校分野まで広がっているのです。
病院に絞ると言語聴覚士の需要が限られてくるかもしれません。
しかし、言語聴覚士は病院以外で活躍できるため、需要も将来性もあるのです。
しかも、ライバルが少ないため、職場は選びやすい傾向にあります。
上記のような理由で、言語聴覚士の将来性はありますし、需要もあるといえます。
言語聴覚士は少ないからこそチャンス!STの強みは転職のしやすさ
言語聴覚士が少ない最大の理由は、対応する疾患そのものが少ないためです。
患者が少ないのならば、対応するスタッフも少なくて当然ですからね。
言語聴覚士そのものが少ないことのメリットは、大きく以下の2つです。
- 転職がしやすいこと
- 差別化しやすいこと
なぜなら、ライバルが少ないから。
ライバルとなりうる優秀な人材は、母数が少なければ少ないのです。
中国をイメージしてください。
人口の暴力で、どんどん優秀な人材が出てきていますよね。
一方、人口が減少しているドイツや日本はというと、どんどん衰退しています。
つまり、母数の大小は競争力に直結するというわけですね。
【閲覧注意】作業療法士はやめとけと言われる理由|現役OTの見解は?で解説していますが、理学療法士と作業療法士は飽和しすぎています。
つまり、ライバルが非常に多いのです。
将来的には、普通の理学療法士と作業療法士は不要な時代が来るとされています。
一方、言語聴覚士は飽和しておらず、ライバルが少ないため出世や転職がしやすいといえます。
理学療法士と作業療法士は母数が多いので、転職時のライバルは多いですし、差別化するための努力も容易ではありません。
言語聴覚士はライバルが少ないので、転職はしやすいですし、差別化するための努力も少なめで済みます。
もちろん、求人数も少ないので、油断は大敵ですよ
筆者が人事をしていた時、一番採用しにくいのは言語聴覚士でした。
なぜなら、他の病院との取り合いになるから。
言語聴覚士は、完全に売り手市場なんです。
言語聴覚士として今の職場の待遇に不満があるなら、ぜひ転職にチャレンジしてみてください。
転職するだけで、年収が100万円近く上がった人もいます。
転職は…という方は副業から始めてはいかがでしょうか?
転職ほど労力もリスクもかけずに、収入を増やせるのが副業です。
土日だけでもできるので、できることから進めたいですね。
転職と副業に関する詳細は、下記の記事を参考にしてください。
参考:言語聴覚士が勝ち組になる8つの手段【年収500万円~1000万円への道】
言語聴覚士なら1年目、2年目でやめても余裕で転職できる
言語聴覚士なら、1年目や2年目でやめても余裕で転職できます。
根拠は、実際に僕が人事として、1年目や2年目、3年目で転職するSTたちを大勢見てきたから。
転職理由のほとんどは人間関係と給料の安さでしたね。
今の職場で無理をしなくても、辛い思いをしなくても大丈夫です。
言語聴覚士なら、若手の需要はかなりありますから。
まとめ:言語聴覚士が少ない理由はポジティブ!将来性はある
言語聴覚士が少ない理由は、下記の3つです。
- STが少ない理由①:職種そのものがメジャーではないから
- STが少ない理由②:ネガティブな噂が増えているから
- STが少ない理由③:需要(対応する疾患)が少ないから
言語聴覚士が少ない最大の理由は、対応する疾患そのものが少ないからです。
患者さんの数自体が少ないため、言語聴覚士が少なくても何とかなってしまうんですよね。
このような理由で、言語聴覚士は理学療法士と作業療法士より少ない現状となっています。
だからこそ、言語聴覚士は穴場です
将来的には、普通の理学療法士と作業療法士は不要な時代が来るとされています。
一方、言語聴覚士は飽和しておらず、ライバルが少ないため出世や転職がしやすいといえます。
理学療法士と作業療法士で迷っているなら、将来を見越して言語聴覚士になるのも1つの手ですね。
もし、すでに言語聴覚士として働いているものの、給料に不満があるなら転職するタイミングかもしれませんね
言語聴覚士は転職に強いので、早ければ2週間で転職できるでしょう。
また、診療報酬の影響で、転職以外では昇給が見込めないのが、言語聴覚士の現状です。
同じ職場にとどまるメリットはないので、周りが気づいて競争が激化する前に行動したいですね。
せっかく言語聴覚士になったのですから、資格を活かして好条件待遇を勝ち取りましょう!
今回は以上です。